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ペロー 、楠山 正雄

猫吉親方
またの名 長ぐつをはいた猫

読み手:濱田 薫(2018年)

猫吉親方 またの名 長ぐつをはいた猫

著者:ペロー/楠山 正雄 訳 読み手:濱田 薫 時間:21分7秒

   一

 むかし、あるところに、三人むすこをもった、粉ひき男がありました。もともと、びんぼうでしたから、死んだあとで、こどもたちに分けてやる財産といっては、粉ひき臼をまわす風車と、ろばと、それから、猫一ぴきだけしかありませんでした。さていよいよ財産を分けることになりましたが、公証人や役場の書記を呼ぶではなし、しごくむぞうさに、一ばん上のむすこが、風車をもらい、二ばんめのむすこが、ろばをもらい、すえのむすこが、猫をもらうことになりました。すえのむすこは、こんなつまらない財産を分けてもらったので、すっかりしょげかえってしまいました・・・

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