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小川 未明

もずとすぎの木

読み手:野村 明子(2019年)

もずとすぎの木

著者:小川 未明 読み手:野村 明子 時間:7分56秒

 若い元気なもずが、風の中をすずめを追いかけてきました。すずめは、死にもの狂いに飛んで、すいと黒くしげったかしの木の中へ下りると、もずはついにその姿を見失ってしまったので、そばの高いすぎの木の頂に下りて止まりました。
「ああ、ばかな骨おり損をしてしまった。」といって、いまいましそうに、もずは、くちばしを木の枝でふいていました。
 これを聞いたすぎの木は、
「いいことをなさいましたよ。」といいました。もずは、目を光らして、
「私は仕損じてがっかりしているのに、なんでいいことをしたというのですか?」と、すぎの木に向かって、たずねたのです・・・

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