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ハンス・クリスチャン・アンデルセン  矢崎 源九郎

家じゅうの人たちの言ったこと

読み手:寺田 理恵子(2020年)

家じゅうの人たちの言ったこと

著者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン/矢崎 源九郎 訳 読み手:寺田 理恵子 時間:12分10秒

 家じゅうの人たちは、なんと言ったでしょうか? まずさいしょに、マリーちゃんの言ったことを聞きましょう。
 その日は、マリーちゃんのお誕生日でした。マリーちゃんにとっては、いちばん楽しい日のような気がしました。小さなお友だちが、大ぜいあそびにきました。マリーちゃんは、いちばんきれいな着物を着ました。その着物は、いまでは神さまのところにいらっしゃるおばあさまから、いただいたものでした。おばあさまは、明るい美しい天国にいらっしゃるまえに、自分でこの着物をたって、ぬってくださったのです。
 マリーちゃんのお部屋の机の上は、いろんな贈り物で、ピカピカかがやいていました。たとえば、この上もなくかわいらしいお台所。それには、ほんとのお台所にいるものが、のこらずついていました・・・

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