閉じる

閉じる

グリム兄弟  楠山 正雄

ブレーメンの町楽隊

読み手:田中 真稚子(2020年)

ブレーメンの町楽隊

著者:グリム兄弟/楠山 正雄 訳 読み手:田中 真稚子 時間:16分47秒

 主人もちのろばがありました。もうなが年、こんきよく、おもたい袋をせなかにのせて、粉ひき所へかよっていました。さて、年をとって、だんだんからだがいうことをきかなくなり、さすがにこのうえ追いつかうのがむりだとわかると、主人は、ここらでろばのかいぶちをやめたものか、と考えだしました。ところで、ろばは、さっそくに、こりゃ、ろくなことではないとさとって、逃げだして、ブレーメンの町をめあてに、とことこ出かけました。そこへ行ったら、町の楽隊にやとってもらえようという胸算用でした。
 しばらくあるくうちに、往来に一ぴき、りょう犬が、だるそうにころがって、口ばかりあけて、はっは、はっは、あえいでいるのに出あいました・・・

Copyright© 一般社団法人 青空朗読. All Rights Reserved.