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スチーブンスン  新美 南吉

ゐろりの中の街

読み手:角田 佳代(2021年)

ゐろりの中の街

著者:スチーブンスン/新美 南吉 訳 読み手:角田 佳代 時間:1分36秒

ゐろりの中に街がある、
かすかな足音きこえてる。
ランプがともり、靄がある、
庭の木などに壁などに。

靄のなかから火がもえて
てらし出される部屋がある。
屋根やご本も見えてゐる。
みんな真赤にてらされる。

ゐろりの中の街中の、
塔の下かげ行く兵士。
けれど私が見てるうち、
兵士も光も消えてつた。

かうと再び火がもえる。
ふたたび街をてらしだす。
ほうらこんどは谷もある。
ほうら兵士が又見える。

もえてる榾よ兵士らは、
どこまで行くの、聞せてよ。
ゐろりのなかの此の街は、
これは何なの、きかせてよ。

 

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