中 勘助 作
読み手:小林 きく江(2022年)
姉の死と同時に私のところの家庭はもう久しく予期された行きづまりに到著した。残されたのは頭が悪くてもののいえない七十をこした兄と六十に手のとどく私、どうにもならない。病中は私が主婦の代役をし、お見舞にきて下さる親戚やお知合いの婦人の好意に頼って凌いできたもののそれは余儀ない窮余の窮策で、いつまでも続くものでなく、続けるべきものでもない。で、私は考えてたことを実行することにした。結婚。私は誰彼に候補者の物色をお願いした。ある人は祝福してくれた。ある人は悲愴な顔をした・・・
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